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 おくすりのこと
こんばんは。獣医師の土志田です。
今日はちょっとしたおくすりのお話を。

たまに、「熱っぽいようだから、うちにある風邪薬を飲ませてみました」というようなお話を伺うことがあります。
しかし実は、人のくすりを犬猫に飲ませることは大変危険なことなのです。

なぜでしょうか?

犬猫の治療に使うくすりの多くは人の薬です。
対して、犬猫専用に認可をとって作られたのが「動物用薬」です。
まだまだ動薬だけではまかないきれないのが現状で、獣医療では一般的に、人薬と動薬の中から適切なくすりを選択して処方しています。

「じゃあ、うちの棚にあるお薬、この子にあげていいんだ!」

いいえ、ちょっとまってください!


①動物に、すべての人薬が使えるわけではありません。

人の薬の中には、動物には毒になってしまう薬や、ごく慎重に投与しなければならない薬もあります。
代表例は風邪薬。
アセトアミノフェンやイブプロフェンは犬や猫は解毒が非常に困難な薬です。
特に猫で致死量に達しやすく、その子の体質や状態によっては命取りになってしまいます。


②動物と人間では薬用量が大きく異なる薬が多くあります。

人の体重が60キロ、おうちのワンちゃんが6キロ。じゃあ人が一錠飲む薬は1/10錠でいい??
いいえ、そんなことはありません。
人よりも体重あたりの量をずっと減らして使う薬もあれば、ずっと多く使わないと効かない薬もあります。
例えば、クリンダマイシンという抗生物質は、人では1キロあたり10ー20mgで使うようですが、犬では5mg/kgで使用するのが普通です。


獣医師は大学で、各動物の体のつくりのちがい、仕組みの【ちがい】を中心に学んでいきます。
犬、猫、豚、牛、馬、鳥。
もちろん、人とその他の動物も大きく異なります。

「猫は小さな犬ではない」と、私は大学1年の時の一番最初の講義で教わりました。
もちろん、犬猫は小さな人間ではありません。

「くすり」は逆さまに読むと「リスク」である、という「とんち」があります。
上手に使えばくすりになる。
しかし間違った使い方をするとただの「リスク」になってしまうのです。

よかれと思って飲ませた薬で体調を崩してしまわないために、
ぜひ私たちに相談をしていただければと思います。

獣医師 土志田